ハオのガジェット工房

※当サイトでは一部アフィリエイト広告を利用しています。自作PC、スマホを中心とした最新情報をお届けします。

Linuxのパッチで劇的に進化!Intel Emerald Rapids Xeonのパフォーマンスが32%向上

Intelの最新データセンター向けCPU、Emerald Rapids Xeonが、Linuxカーネルの小さな変更によって、大幅なパフォーマンス向上と消費電力削減を実現しました。

 

たった1行のコードで何が変わったのか?

Canonicalのエンジニア、Pedro Henrique Kopper氏がLinuxカーネルメーリングリストに投稿したパッチにより、Emerald Rapids XeonのEPP(energy-performance_preference)値が最適化されました。この小さな変更が、驚くべき結果をもたらしたのです。

  • POV-Rayレンダリングが32%高速化、消費電力は12%削減
  • OpenSSL暗号化処理が12%高速化、消費電力はほぼ変化なし
  • Linuxカーネルのコンパイルが29%高速化、消費電力は18%削減

 

なぜこのようなことが起こるのか?

IntelとCanonicalの共同調査の結果、EPP値を32に設定することで、パフォーマンスと電力効率の両方を大幅に向上できることが明らかになりました。この発見は、Sapphire Rapids Xeonでもすでに実証されており、今回のEmerald Rapids Xeonでもその効果が確認されています。

 

ユーザーへの影響

この変更は、Ubuntu Linuxをはじめとする多くのLinuxディストリビューションで、すぐに使用できるbalance_performanceモードに適用されます。つまり、特別な設定を行うことなく、誰でもこのパフォーマンス向上を享受できるのです。

 

今後の展望

Linuxカーネル6.11にこのパッチがマージされる予定であり、Emerald Rapids Xeonを使用しているシステムは、すぐにこの恩恵を受けることができます。

 

まとめ

Intel Emerald Rapids Xeonは、すでに高性能なCPUですが、今回の発見により、そのポテンシャルがさらに引き出されました。この結果は、Linuxカーネル開発の活発さを示すとともに、ハードウェアとソフトウェアの連携がいかに重要であるかを示唆しています。