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AMD、次世代RDNA GPUでマルチチップレット戦略を採用へ:特許から読み解く革新

AMDの特許情報から、同社が次世代RDNAアーキテクチャにおいて、従来のモノリシック型ではなく、複数チップレットを組み合わせた革新的な「マルチチップレット」GPU設計を検討していることが明らかになりました。これは、グラフィック処理の世界に大きな変革をもたらす可能性があります。

 

マルチチップレットGPUとは?

マルチチップレットGPUは、複数の小型チップレット(ダイ)を1つのパッケージに統合したGPU設計です。従来のモノリシックGPUとは異なり、製造コストの削減、性能の向上、スケーラビリティの拡張などが期待できます。

 

AMDのマルチチップレット戦略

特許文書によると、AMDはマルチチップレットGPUの運用モードとして以下の3種類を提案しています。

  1. シングルGPUモード: すべてのチップレットが統合され、単一のGPUとして動作します。これは従来のGPUと同様の動作です。
  2. 独立モード: 各チップレットが個別に動作し、専用のフロントエンドダイによって制御されます。
  3. ハイブリッドモード: シングルGPUモードと独立モードの機能を組み合わせ、柔軟性と効率性を向上させます。

 

特許文書では、マルチチップレットGPUがもたらす利点として以下を挙げています。

  • 処理能力の向上: 複数のチップレットを組み合わせることで、より高い処理能力を実現できます。
  • 拡張性の向上: 将来的な性能向上や新機能追加のために、チップレットを追加したり交換したりすることが容易になります。
  • 製造コストの削減: チップレットを個別に製造することで、大規模なモノリシックダイを製造するよりもコストを削減できます。

 

課題と展望

マルチチップレットGPUは多くの利点を持つ一方で、以下のような課題も存在します。

  • 複雑性の増加: チップレット間の通信や制御が必要となるため、設計と製造が複雑になります。
  • 消費電力の増加: 複数のチップレットを使用するため、消費電力が増加する可能性があります。

しかし、AMDはすでにマルチチップレットGPUの開発において実績を積んでおり、これらの課題を克服していくと考えられます。

特許情報から、AMDは次世代RDNAアーキテクチャにおいて、マルチチップレットGPUを積極的に導入していく可能性が高いことが示唆されます。これは、グラフィック処理能力の飛躍的な向上と、GPU設計におけるパラダイムシフトをもたらす革新となるでしょう。

 

参考情報: