AMDがCES 2025の基調講演でRDNA 4の詳細を発表しなかったのは残念でしたが、様々な噂や関係者の発言から、Radeon RX 9070シリーズがメインストリーム市場に大きな変革をもたらす可能性が見えてきました。特にRadeon RX 9070 XTは、驚異的なコストパフォーマンスでメインストリームGPU市場に革命を起こすことが期待されています。
RDNA 4におけるAMDの方針転換
Radeon RX 9070 XTの詳細に迫る前に、AMDのRDNA 4に対する戦略の変化を確認しておきましょう。数か月前、AMDは最高性能のGPUを追求するのではなく、需要の高いセグメントに注力し、優れた性能と圧倒的なコストパフォーマンスを提供する製品を投入する方針を明らかにしました。この方針転換により、RDNA 4のラインナップはRadeon RX 9070 XTとRadeon RX 9070の2つのSKUに絞られました。
これにより、ハイエンド市場はNVIDIAのGeForce RTX 5090が独占する形となりましたが、注目すべきはメインストリーム市場における激しい競争です。これまでの情報から判断すると、NVIDIAは70クラスと80クラスの製品で、これまで以上の競争に直面することになるでしょう。
Radeon RX 9070 XTのスペック：最高のコストパフォーマンスを目指して
AMDのRDNA 4戦略を踏まえ、Radeon RX 9070 XTのスペックを見ていきましょう。公式発表と未公開の情報を含みます。このGPUはハイエンドのNavi 48ダイ（4nmプロセス）をベースにしており、16GBのGDDR6メモリを搭載しています。NVIDIAがGDDR7に移行していることを考えると、これは若干残念ですが、AMDは将来のために温存しているようです。RX 9070 XTは最上位のRDNA 4構成であるため、前世代のフラッグシップモデルからVRAMが大幅に減少しており、AMDが現時点ではハイエンド市場に注力していないことを示しています。
その他の主要スペックとしては、AMDのリファレンスモデルのTBP（Total Board Power）は330Wになる見込みです。これは当初予定されていた265Wから引き上げられており、さらなるパフォーマンス向上が期待できます。RX 9070 XTは、3060MHzのブーストクロック、2518MHzのベースクロック、4096個のストリームプロセッサ（SP）を搭載する可能性があります。興味深いことに、AMDはリファレンスモデルに12V-2x6電源コネクタを採用しませんが、AIBパートナーはそれぞれの電力要件に応じて標準コネクタを搭載する可能性があります。
AMDはRDNA 4 SKUの詳細を伏せているため、Radeon RX 9070 XTの詳細なスペックは現時点では不明です。しかし、主要な情報は明らかになりつつあります。次に気になるのは、期待されるパフォーマンスです。幸いなことに、主要なベンチマーク結果がいくつか出てきています。
Radeon RX 9070 XTの期待されるパフォーマンス
ここで注意すべき点は、RDNA 4のドライバは現在ベータ段階であり、これらのテストの多くは公式ドライバが適用されていない可能性があるため、理想的な条件下で行われたものではないということです。そのため、最終的な数値は異なる可能性があります。
Radeon RX 9070 XTは、パフォーマンス面でNVIDIAの70クラスと80クラスのGPUの中間に位置すると言えるでしょう。世代的には、このGPUはRadeon RX 7900 XTXと競合しており、VRAM容量が少ないにもかかわらず、RDNA 4の対応製品はパフォーマンスの差を縮めており、AMDがNavi 48シリコンで達成した改善を示しています。
残念ながら、現時点ではゲームベンチマークはありませんが、これまでの情報から判断すると、Radeon RX 9070 XTには驚異的なパフォーマンスが期待できます。このGPUは優れた価値を提供し、FSR 4などのテクノロジーと組み合わせることで、非常に快適なゲーム体験をもたらすでしょう。2Kまたは4Kのゲームシナリオにも十分対応できると考えられますが、これはあくまで現時点での予想です。
Radeon RX 9070 AIBモデルのプレビュー
CES 2025では、XFX（白と黒のバリエーション）、Sapphire（ピュアホワイトのバリエーション）、ASUS（TUF Gaming）、PowerColor（Red Devil）などのパートナーによるRadeon RX 9070 XTのAIBモデルがいくつか展示されていました。どのモデルもトリプルファン構成で、異なるカラースキームとデザインを採用しており、各社がこのGPUに力を入れていることが伺えます。
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これらのモデルは、Radeon RX 9070 XTが様々なパフォーマンスのAIBモデルとともにデビューすることを示唆しています。
Radeon RX 9070 XTの予想価格
このリリースを成功させるためには、AMDはNVIDIAの70クラスおよび80クラスのモデルに対抗できる魅力的な価格設定にする必要があります。NVIDIA RTX 5070とRTX 5080はそれぞれ549ドルと999ドルで発売されているため、AMDはこの中間の価格帯に設定する必要があるでしょう。
AMDのゲーミングソリューション部門のチーフアーキテクトであるFrank Azor氏へのインタビューでは、このSKUは300〜1,000ドル程度の価格で発売される可能性があると示唆されていましたが、600〜800ドルの範囲がこのSKUに適していると考えられます。
ただし、これはAMDがRDNA 4全体をどのように展開するか、またはXTモデルと非XTモデルのどちらでより優れたコストパフォーマンスを提供するかによって異なります。しかし、RDNA 4 GPUが市場に投入されれば、AMDが大きな成功を収めることは間違いないでしょう。
Radeon RX 9070 XTとRadeon RX 9070の予約注文は、1月23日に開始される予定です。
